こんにちは
9月に入り、過去問対策も本格的に始まりますね。まだ5か月、されど5か月、ここからほんとにあっという間です。
そんなさなかですが、今回は私のお友達の知り合いという方の受験の失敗例をお話しします。わが子とは学年はだいぶ違いますが、某大手塾に通っていたというお子さんの実際のお話だそうです。
算数が突き抜けていたA君
A君は算数がとても得意で、塾でも偏差値Nでいう70越えを連発。
ところが、国語が大の苦手で5年の終わりの時期に偏差値50近辺を行ったり来たり。詳しくは聞いてませんが、きっと問題の相性によって上下があったのでしょう。
ただ、算数がそれだけできるので、「算数に時間が取られない分、国語対策に行けるだろう」と、本人を含め親御さんも気にしていなかったようです(さすがに先生たちは焦っていたかもしれませんが)。国語は後伸びするだろうと思っていたのかもしれません。
国語以外でも偏差値70近辺にいたので、トップクラスから落ちることはありませんでした。
アンバランスだけど伸びしろはあったはず
めっちゃざっくりな計算ですが、算数の偏差値が70あったとしたら、国語が50だったとしても真ん中をとったら60辺りですよね。
そこに理社の70が加わると、平均65、国語の成績が上がってくれば当然そこから伸びしろしかないわけです。
6年生後半の成績はわかりませんが、理社についてはほぼ完成していた模様。それもあって受験校のラインナップは
関西の灘、1日御三家トップ、2日神奈川御三家トップ、滑り止め1校でした。
A君の受験結果は
全敗したそうです。
周りも唖然。開成もかたいだろうと思っていたみたいですが、ふたを開けてみれば滑り止め校も難しく。
それまでの結果でメンタルがきつかったのか、滑り止めにしていた受験校も取りこぼしてしまったそうです。
結局本人が気持ちを切り替えて、地元の中学から公立のトップ校に進学したそうですが、この時の本人の気持ちを想像すると、泣くに泣けません…。
問題点は2つ
この失敗事例の問題点は2つ
まずは、やはり苦手があるとかなり足を引っ張られるという点。本人のメンタルにも響きますし、解きやすい問題とそうでないときの差で結果が読めませんね。
やっぱりどこかに苦手があると、不安が出やすいですし、自信のなさが他の教科にも響いてしまうということもあります。
うちはこれが算数なので、辛かった・・
ただ、他の3教科の平均との差は偏差値3、4くらいでした
2点目は、親御さんの併願計画の失敗
もしかしたら、この学校に受からなければ公立、という風に決めていたのかもしれないですが、やっぱり何年もかけて勉強してきたからには1つでも合格をとらせてあげてほしかったな、と思います。
そのためには、ぐっと偏差値を下げた学校をもう1校くらい受けておけばよかったかもしれないですね。進学しないにしろ、それは本人が選べばいいわけですから。
この彼はその後、高校進学でリカバーしましたが、自己肯定感が下がって投げやりになってしまうお子さんもいるでしょう。
私が息子のスイッチが入らなくて愚痴を漏らしたとき、塾経営をしていた父から言われたのが
いったん始めてここまで来たら撤退だけはやめなさい
ということ。やめたら本人の中に挫折感だけが残る、と。
そのくらい、合格が取れないということは本人の心に残り続けることになります。
私は自分の中受の直前撤退が、未だに心残りです
4科のバランスは超需要
結局、試験は4科です。例に出した彼の場合は差が激しすぎるきらいはありましたが、何かの教科が突き抜けていたとしても、苦手教科をカバーするのはとても大変です。
特に、最近は算国の配点が理社より高い学校が多いですよね。
確か渋渋は算国100点、理社50点です。浅野も算国120点、理社80点です。約1.5倍~2倍の点数を埋めるのはほぼ不可能です。
併願校戦略はしっかりと
彼の場合、滑り止め校は少し偏差値を下げたところでしたが、それでもその前に受けた学校の不合格はだいぶメンタルに響いたようです。
偏差値を下げたとしても確実に合格が保証されているわけではないので、併願を組むのはほんとに難しいのですが、できる限り幅広い偏差値帯で戦略を立てておくべきですね。
これがまさに親の仕事になります。
わが家の受験校はS偏差値51~62でした
まとめ
今回は、実際に聞いたことのある中受の失敗例から
・4科のバランスが大事
・受験校の戦略がキモ
ということをまとめてみました。
A君が、腐らずにトップ高校に進学してくれたことが救いですよね。
これから、合判、学校別オープン(塾ごとに模試の名称は違いますが)が続きます。
本当に時間がない中でどれだけ効率的に苦手を埋められるか、そこに応用力を乗せられるかになってくるので、間違った問題は置いておかずしっかり振り返ってその場の場で理解していってくださいね。まとめて振り返る時間はもうありません。
これは、受験終了後に整理した教材の一部です。算数の一部かな。1年分ではなかったと思います。
こんなにたくさんの教材に取り組む子どもたちに、合格という喜びを経験させてあげたいですね。
次回は、過去問に取り組む時間は意外にないよ、というお話をしますね。